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執筆者の写真Jun Takamiya

コロナとのウィルス戦争がはじまる前の事

気が付けば看護師として10年以上すごしています

たくさんの方と出会い

その中にはどうしようもなく心動かされる方との宝物のような出会いがあります


コロナとのウィルス戦争が始まる前

日本の戦争を乗り越え生きた方に介入させていただきました


戦前・戦中・戦後と様々な書籍を今も読み

愚かさや怒り悲しみをお話ししてくださいました

日本という国の未来を憂い

また一方で生きることを心から楽しんでおられました

その方の生きる姿に感動をもらいました


ある日の訪問で私は自分の現状をふとお話ししました

もう人生を過ごしてきて40歳になろうとしている

子供の頃は大人になればわかることも増えて不安が無くなり悩む事もなくなると思っていた

けれど実際知れば知るほど不安になる事ばかり

いったいいつになったら悩まず不安が無くなるのかと



その方は笑って言いました

「あなたはまだまだ若いってことです。」

二人で一緒にふきだし笑いました

「私のような若輩者まだまだ満足するなってことですね」と私が言うと

優しい目で頷いてくださいました


ケアの大切さを教えてくださったことも

体拭きの際 

手で持てるギリギリの熱いタオルをひろげ

肌にあてられる程度に調整し保温するようにあてる

その後末梢から中心に力加減に注意し拭いていく 

清拭が済むと軟膏やクリームを全身くまなく塗布

背部は上にむかってマッサージをするように

四肢は中心に向かってリンパも流れるように


ひとつひとつの工程

その方は心から気持ちよいという表情をしてくださいます

ケアが終わり退室しようとするとき

ベッドにちょこんと座り深々とお辞儀をしながら

「本当にありがとう。私はあなたのケアが大好物なんです。

あなたに出会えてよかった。」

とおっしゃって下さいました




いよいよその方にお迎えが来ようとするとき

ベッドで浅く呼吸をし今にも息が止まりそう

常日頃大好物と言ってくださっていたケアはやめたくないと

いつものようにさせていただきました

終えたとき体の緊張がゆるみ、呼吸が楽になった様子

消えかかる命の炎がすこし吹き返したように感じました


今まで看護師として状態が悪い時清潔ケアを最小限にする事がありました

けれど

必ずどの方のケアも

どのような状況であっても

手をゆるめることなくおしまずすること

それが命をつなぐことがあると思うようになりました

ケアがもっと好きになりました


旅立たれた時 エンゼルケアで涙は出ませんでした

自宅に戻りお風呂に入ると不思議と涙が止まらず

翌日もその翌日も仕事の際はいいのですが

自宅に戻りお風呂に入ると泣けてしまって

水の音のせいでしょうか

そのような感じで1か月過ごしました

はじめての事でした


半年たちようやくその方の近くの道路を

悲しい気持ちで通る事はなくなりました


10ヵ月経つある日

夢を見ました

私は夢の中でその方の居室の雰囲気に似たような

その方の好きな歌「小さな喫茶店」に似たような

うず高く本棚に囲まれたところにいて

机にはダイヤル式の黒電話がありました

ベルが鳴り出るとその方でした


何を話したのかは全く覚えていませんが

とても楽しく笑い合いたくさん話をしました

最後にその方は

「私は元気ですよ。ま、死んでますけどね。」と言われ目が覚めました

なんてその方らしいジョーク

すぐ後に親戚からの訃報の連絡

向こう側へとつながる道が少し開いていたのでしょうか

でもきっとこれは私の頭が作り出した

見たいと願った夢なんだなと思いました


コロナの現状をその方が見たらどう思うでしょうか

きっと題名にしたウィルス戦争と言うだろうと思います

何度もこの話を書こうと思い書けず

時間が過ぎ今やっと時期が満ちたようです

心が動かされた出会い

宝物のような出会いそんな事がありました


https://youtu.be/qvzQHJSjrWQ

小さな喫茶店 YouTube動画

ロマンチックな歌です















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